インタビュー後編
2018.12.14
いよいよ明日から白石陽一さんの個展が始まります。
先日のインタビューの続きです。
ぜひご覧ください。
後編〜自然の事象〜
小笹(以下O)
現在目指しているところなどありますか?
白石(以下S)
自然にできる形を最大限に活かしたシンプルな形。
自分の手で作るのではなく、自然の現象でできる形。
それを大切にしています。
陶芸は焼成段階で窯の中で起こる自然現象に委ねることは普通のことですが、
僕の場合は成型の段階から手を加えすぎないようにして、自然の土の流れをあえてそのまま閉じ込めるようなイメージで作っているのです。
例えばこのプレートだったら、平面に土の流れが出ています。
その代わりに縁や、裏面は綺麗に削って整えています。
地味ですけど 実は面倒なことをやっているのですよ。
触った質感がツルツルになるように、素焼きの後もヤスリで削って形を整えていて結構手間はかかります。
Oなるほど。そのメリハリがより自然の土の流れを引き立ててくれているのですね。
S シンプルにすればするだけ、誤魔化せなくなってくるのです。
下手だと、それがもろに出てくるのですよね。
O 最近、挑戦されている原土の作品。
あれはこれまでの作品と全然違いますが、どんな風に作っているのですか?
S 山から掘り出してきた原土をたらいに入れて振り、加振力や遠心力で土を粒状にします。それを型枠に集積して磁器土を流し込んで作っています。
焼成する方法でも色合いが全く異なるのでどんな風に焼きあがるのか窯から出すときはワクワクします。
O 人為的な力を極力加えずに、自然に出来上がる美しい事象をトリミングする。
白石さんの作品の特徴がここに現れていますね。
最後にメッセージなどがあればお願いします。
S これまで、企画展に参加させてもらったことはありますが、
個展は初めて。作家としての空気感というか
そういうものを感じてもらえたら嬉しいです。
いつものヒメミズキとは違う空間を楽しんでもらえるのではないかと思っています。